自分の人生を楽しくするために、就活する!

就職コンサルタントとして全国の大学で就職講座の講師を務めるなど活躍されるキャリアデザイン研究所代表の坂本直文さんに、就活に向けての心構えや具体的な取り組み方について伺いました。

就職コンサルタント 坂本 直文さんについて

まず社会を知る、企業を知ることからスタート

ここ3年ほど就活戦線は売り手市場と言われてはいますが、すでにスタートしている3年生の中にもどう動けばいいのか不安を抱えている人が少なくないようです。また1、2年生にとっても就活を意識して何をしておけばいいのか、迷う人が多いと思うのですが、いかがでしょうか。

 社会に出ていくことや就活に対して、なぜ漠然とした不安を感じるのか。それは、自分がどんな仕事をしたいのか、どんな働き方をしたいのか、具体的なイメージを描けていないからなんですね。じゃあ、なぜ、イメージできないのか。それは社会にどんな業界があって、それぞれどんな企業で成り立っているのか、また、そこで働く人たちはどんな仕事をしているのかをよく知らないからです。

 ですから、まず「業界地図」を読んでみましょう。ここには日本経済を支える主要な企業が掲載されています。今までまったく知らなかった業界を広く知ることができます。それぞれの企業の売上高をチェックすれば、企業規模がわかりますし、事業内容を見ればその企業の特色がわかります。

 特に「B to B (Business to Business)」企業、つまり企業間取引を行っている企業が、世の中にはたくさん存在するのだとわかります。みなさんが名前をよく知っている企業はほとんどが「B to C (Business to Consumer)」企業、つまり私たち一般消費者向けの商品を作っている企業です。でも、「B to B」企業もたくさんあり、日本経済を支えているのです。

 読むと言っても、わずか60分かけるだけです!(笑)。ざっと目を通すだけで、大きく目が見開かれますよ。

インターンシップに参加しよう!

社会の成り立ちをつかむことが第一歩なんですね。では第二歩目は?

 興味を持った業界や企業をより深く知るために、ぜひインターンシップに参加してほしいですね。3年生の中にはすでに夏のインターンシップに参加した人もいるでしょう。インターンシップは、夏、秋、翌年の冬の3つの期間で開かれていますね。企業を知る絶好の機会ですから、興味のある企業のインターンシップを積極的に申し込んでみましょう。

 ここでみなさんにちょっと心にとめておいてほしいことが2点あります。まず1点目は、2017年度卒業の就活の傾向として、インターンシップは選考の入り口ととらえ、チャレンジする学生が増加傾向にあること。2点目は、仮にそのインターンシップの選考試験に落ちてしまったとしても、まったく落ち込まなくていいんだということです。次のインターンシップ、そして本番にチャレンジしていけばいいのですから。

 なぜなら再チャレンジすることで、まず、その企業に対する「熱意の表れ」を示せること、そして「メンタルが強い」と示せること、さらに、当然なぜ選考に落ちたのかを考え、その点を改善して再チャレンジするでしょうから、「向上心を持っている」ことを示せるわけです。落とされたら困るから受けないんじゃなくて、どんどん受けてみましょう。

 経団連ではインターンシップは、3年生だけでなく学年問わず対象とするという新ルールになりました。今後、1、2年生も対象とする企業が増えてくると思われます。1、2年生からインターンシップに参加する意義はとても大きいですよ。仕事を学べるだけでなく、その企業に入社するなら、これからの学生時代にどんなことを学んでおくべきか、知ることができるんですから。

志望動機、自己PRを厚くするヒント

「業界地図」を読むことで、短時間で効率的に業界研究、企業研究ができ、インターンシップ参加への道筋が見えてくるんですね。では、自己分析についてはいかがでしょうか。

 自己分析も同じですよ。業界研究、企業研究をきちんとしておかないと、自己分析が中途半端なものになってしまいます。例年、内定をなかなかもらえないという人は、志望動機があいまいで、自己PRが中途半端になってしまっているからです。その原因は企業研究と自己分析とが中途半端にしかできていないからなんですね。志望動機として「御社に魅力を感じたからです」では漠然とし過ぎて、採用担当者の心には響きませんよ。

 ですから、まず企業研究やそこで働く人たちがどんな仕事をしているのか、具体的に深く調べて、その仕事と自分の経験との共通点を見つけるようにしましょう。そこから自己分析ができ、志望動機の中身も充実させられるのです。企業のことを調べてから自己分析を行えば、的を絞ったわかりやすい自己PRが書けるのです。"仕事目線自己分析“の方法と言えます。

仕事内容と自分の経験との共通点を見つけることが、自己分析につながるのですね。具体的にはどんなふうにすればいいのでしょうか。

勉強風景

 まず、ノートをl冊用意しましょう。そこに「業界地図」や「就職四季報」を活用して自分が興味を持った業界、企業を挙げてみる。そしてそれぞれの企業のホームページなどもチェックしながら、売上高、経営計画などどんな企業なのか概要を書いておきます。

 さらに、どんな部署があるのかもチェックしておきましょう。どこの部署に入るかで仕事内容が変わってきますからね。部署はホームページにある組織図や部署一覧を印刷して、ノートに貼っておきましょう。自分にとっての未来のキャリアパスとしても参考になりますよ。そして、OB訪問や企業合同説明会などで、その企業で働いている人たちに仕事内容を具体的に聞いてみるとよいです。

 こうして業界、企業研究をじっくりと行ってから、その企業の仕事内容と自分の経験との共通点をたくさん書き出しましょう。とにかく、できるだけたくさん書くことが大切です。歌手でも1曲しか歌えない人なんていませんよね(笑)。みなさんも志望動機、自己PRにつながる持ちネタをどんどん増やしておきましょう。ネタをたくさん持っていないと、面接を1次、2次、3次と乗り越えることはできません。面接はどんどん長くなりますからね。エントリーシートの2〜3倍のネタを作っておくぐらいの意気込みで考えましょう。できるだけ具体例や数字で表すと、説得力をより高められます。

 たとえば、客室乗務員を志望する学生が、志望動機をなかなか書けないと悩んでいたのですが、このアドバイスによって、カフェのアルバイトで赤ちゃんとお母さんに気配りした経験、高齢者や外国人への接客経験など、客室乗務員の仕事と自分のアルバイト経験との具体的な共通点をピックアップし、その企業に入社して自分はどんな仕事をしたいのか、どんな貢献ができるのか、志望動機と自己PRが厚く書けたのです。

共通点となる自分の経験は、大学生活の中で探せばいいのでしょうか。

 いえいえ、高校時代、中学時代、いつでもいいんですよ。ある学生は2歳から始めた習い事の体験を書いていました(笑)。人生まるごと自己分析、自己PRだととらえましょう。

 このように自分の過去に耳を傾ける方法の他にも、自己分析にはさまざまな方法があります。たとえば周りの人たちに聞く他己分析は、自分の気づいていない自分を知るためにとても効果的です。友達や両親、周りの社会人など10人以上に1人3点ずつ長所をあげてもらう。その中から自分では気づいていなかった部分をまた別の人に聞いて、深掘りしていけばいいのです。

 また、人事担当者に聞く方法もありますよ。企業合同説明会に参加して、箇条書きにして読みやすくした自己PRを見せて「どんな点が御社の仕事で役立つでしょうか」と聞いてみるのです。

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