特集01  伝えるための「語学」をマナブ。
伝えるための「語学」をマナブ。
伝える意欲が、英語上達への原動力
鳥飼玖美子先生 インタビュー
鳥飼玖美子先生
“国際共通語としての英語”とは
―先生は「国際共通語としての英語」(講談社現代新書)という本をお書きになっていますが、この“国際共通語としての英語”とはどういうことでしょうか。
“国際共通語としての英語”とは、最近、海外で盛んに言われ始めていることです。今や、英語は世界中の人たちの共通語であり、それぞれの国の人が自分の使いやすいように使っています。ですから、意識的ではなくても、自分の母語に引きずられます。皆がネイティブスピーカーのように話せるわけではないのです。それぞれのお国訛りを持った英語を自分なりに使ってコミュニケーションを図ろうとする、それが共通語としての英語のあり方だというとらえ方です。国際共通語としての英語と、地域語としてのアメリカ語やイギリス語を分けて考えるわけです。
ですから、発音を過度に気にしたり、文法の間違いを神経質に悩む必要もないんですよ。と言っても、ハチャメチャ英語でいいというわけではありません。キーワードは、“わかりやすさ”なんです。通じるかどうか、わかりやすいかどうかが大事なんです。
私たち日本人は、もっと自信を持って英語を使っていいのです。もう少し大胆になっていただきたいなと思いますね。
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コミュニケーション力をアップするためには
―相手に通じるためには、先生がこの本にも書いていらっしゃった、コミュニケーションがかなり重要ですね。今の学生や若い人たちには、コミュニケーション力が不足していると、よく言われていますが、いかがでしょうか。
確かに企業でも問題になっていますが、私は、本人たちの責任ではなく、日本社会の中でコミュニケーション能力を育てようという空気がないからだと思うんです。日本社会は、ある意味では、とても居心地良くて、そんなに事細かにあれこれ言わなくても、お互いに理解できるという雰囲気がありますからね。
でも、若い人たちの責任ではないとは言え、日本語でのコミュニケーション能力が十分でないことは、やはり英語に跳ね返ってくるものです。日本語で言えないことを、英語で言うのは無理ですよね。ですから、コミュニケーション力については、若い人たちも自分たちの問題として意識していただきたいですね。
ただ、関西の人たちは、コミュニケーション能力に長けているような気がしますねえ、あのボケとツッコミの世界(笑)。ジャズでいうと、コールとレスポンスなんですよ。ユーモアの感覚もありますしね。それを英語でも活かせるといいですね。

―では、英語でのコミュニケーション力を少しでも高めるためには、どうすればいいのでしょうか。
外国の人と接する時には、日本語であれ、英語であれ、自分が意識的に、ここまで言うのか、と思うくらい話をすることですね。こんなにたくさんしゃべっちゃって、しゃべり過ぎたかなあと思うくらいで、ちょうどいいんです。それを、まず日本語でやってみる。そうすることで、英語でもできるようになる。また逆に、英語で話すうちに、日本語に影響を与えることもあると思います。
学生にしても、社会人にしても、言っても書いても、とにかく言葉が足りないんですよ。相手に自分の伝えたいことをわかってもらおうとする努力がもっと必要です。
コミュニケーションとは、当然、相手があってのコミュニケーションなので、相手がどのように理解してくれるのかと、常に念頭に置いて、詳しく説明をする。いわばサービス精神ですよね。英語ができないのではなくて、コミュニケーションをとろうとする意欲が欠けているところに、日本人の英語コミュニケーションの問題があると思うんです。
異文化理解、異文化コミュニケーションとは、当然わかっているだろうと思わないで、説明するところから始まる。それが、英語を学ぶ目的でもありますしね。

―相手が理解してくれたのかどうかという、相手の気持ちを感じる力も大切なんですね。
ええ。コミュニケーションは、相手とのやり取りですから、一方的なものではない。でも、日本人の場合は、ボウリングだと言われてしまうんですよ。ボールを投げて、それで終わり。テニスにならないんですね。ボールを投げたら打ち返してもらう、打ち返すことができるようなボールを投げてあげなきゃいけないんです。
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